競馬というと、「馬券を買って、レースを見て、当たったか外れたかを楽しむもの」というイメージを持っている方も多いかもしれません。
もちろん、それも競馬の大きな楽しみの一つです。
ただ、実際に競馬を楽しんでいると感じるのは、レースそのものは競馬の一部分にすぎないということです。
来週のレースを知ってワクワクする。
出走馬を見ながら予想する。
競馬場ではパドックで馬を見て、最後に買い目を決める。
そしてレースが終わったあとには、自分の予想を振り返ったり、一緒に観戦した人と「あのレース面白かったな」と話したりする。
さらに、その日に応援した馬を次のレースでも追いかけるようになることもあります。
競馬の面白さは、ゲートが開いてからゴールするまでの数分間だけではありません。
今回は、これから競馬を始めてみたい方に向けて、レースの前後まで含めた競馬の楽しみ方を紹介します。
競馬の楽しみは、レースの数日前から始まる
競馬の楽しみは、競馬場に到着してから始まるわけではありません。
たとえばテレビCMやSNS、競馬の開催スケジュールを見て、
「今週はこのレースがあるのか」
と知った瞬間から、少しずつレース当日への楽しみが始まります。
好きな馬や名前を知っている馬が出走するレースであれば、
「今回は勝てるかな」
「どんな馬が相手になるんだろう」
「現地まで見に行こうかな」
と考える時間も増えていきます。
旅行でも、実際に出かけている時間だけではなく、「どこへ行こう」「何を食べよう」と予定を考えている時間が楽しかったりします。
競馬もそれと少し似ています。
レースを待っている時間も、すでに競馬の楽しみの一部です。
出走馬を見ながら、自分なりに予想してみる
出走する馬が分かってきたら、次は予想する時間です。
競馬新聞を見たり、予想サイトを読んだり、過去のレース結果を調べたり。
競馬に慣れてくると、距離やコース、騎手、枠順、過去の成績など、さまざまな情報を見るようになります。
とはいえ、初心者のうちからすべて理解する必要はありません。
「名前が気になる」
「前のレースで見た馬だから応援したい」
「この騎手を知っている」
そんな理由から選んでも十分です。
大切なのは、レースを見る前に、
「私はこの馬を応援してみよう」
という自分なりの答えを一つ持ってみることです。
何も知らずにレースを見るのと、一頭でも応援する馬を決めてから見るのでは、レース中の感じ方も大きく変わります。

パドックや返し馬を見てみよう
パドックとは、レースに出走する馬が周回する場所です。
競馬新聞やスマートフォンの画面で見ていた馬を、実際に自分の目で見ることができます。
初めて見ると、
「競走馬ってこんなに大きいんだ」
「この馬は落ち着いているな」
「なんとなくこの馬が気になる」
といった感想を持つかもしれません。
もちろん、初心者がいきなりパドックを見て馬の状態を完璧に判断する必要はありません。
まずは純粋に馬を見るだけでも十分です。
それまで数字や名前として見ていた馬が、目の前を歩いている。
それだけでも、レースへの気持ちは少しずつ高まっていきます。
パドックのあとは「返し馬」にも注目
パドックを終えた馬たちは、本馬場へ移動します。
そこで見ることができるのが返し馬です。
返し馬では、騎手を乗せた競走馬がレース前のコースを走りながら、体を動かして発走へ向けた準備をします。
パドックでは歩いていた馬が、騎手を乗せて一気に駆けていく。
その姿を見ると、
「いよいよレースが始まるんだな」
と実感できる瞬間でもあります。
パドックとはまた違い、競走馬らしいスピード感や力強さを見ることができるのも返し馬の魅力です。
競馬に詳しくなってくると、返し馬の動きから馬の状態をチェックする人もいますが、初心者のうちは難しく考えなくても大丈夫です。
パドックでじっくり馬を見て、返し馬で走る姿を見る。
この二つを続けて見るだけでも、レース前の時間をより楽しめるようになります。
そして、パドックや返し馬を見ながら、
「やっぱりこの馬を応援しよう」
「さっきとは別の馬も気になってきた」
と、最後の買い目を考えてみるのも競馬場ならではの楽しみ方です。
出走馬紹介も心を熱くさせる
レースが近づいてくると、場内のモニターや大型ビジョンなどで出走馬が紹介されます。
馬名や騎手の名前が次々と映し出され、自分が応援している馬が紹介される。
馬名や血統、戦績などからインスパイヤされた口上は、レースへの期待を一段と引き上げてくれます。
競馬新聞を見ながら予想していたときには、まだ「情報」として見ていた一頭の馬。
パドックで実際の姿を見て、返し馬で走る姿を見て、そして出走馬紹介で改めてその名前を見る。
ここまで来ると、
「いよいよ、この馬が走るんだ」
という実感が強くなってきます。
特に、自分で時間をかけて予想した馬や、以前から応援している馬が紹介されたときの高揚感はひとしおです。
お客さんから声が上がったり、場内全体の空気が少しずつレースへ向かっていったりするのを感じるのも楽しいところ。
「今日の府中は曇り空、輝く星は私だけでいい。17番スターズオンアース。」
馬券を買って心を決めよう
予想していた馬をパドックで見たら、最後にどの馬券を買うか決めます。
「やっぱりこの馬を応援しよう」
「パドックを見て、別の馬も気になった」
と、予想が変わっても問題ありません。
そして、自分で選んだ馬の馬券を買います。
競馬の馬券は基本的に100円から購入できます。
初心者であれば、最初から難しい買い方をする必要はなく、単勝や複勝など分かりやすい馬券から始めるのがおすすめです。
馬券はもちろんお金を賭けるものですが、競馬を楽しむという意味では、
「この馬を応援します」という意思表示
のような役割もあります。
100円の馬券を一枚持っているだけでも、レースを見るときの気持ちは大きく変わります。
競馬の買い方についてはこちらの記事をご覧ください。
【競馬初心者向け|馬券の買い方をゼロから解説!100円から始める競馬】

いよいよレースが始まる
パドックで馬を見て、予想して、馬券を買う。
ここまで来て、ようやくレースが始まります。
ゲートが開けば、数分間の勝負です。
自分が選んだ馬が前に出れば期待し、後ろに下がれば心配になる。
最後の直線では、思わず声が出てしまうこともあるでしょう。
ただ、レースそのものは数分で終わります。
それでも、その数分が面白く感じられるのは、レース前に自分で馬を選び、考え、応援する準備をしてきたからでもあります。
レース前に過ごした時間があるからこそ、レースの数分間がより濃くなる。
私はそこも競馬の面白さだと思っています。

レースが終わったら、自分の予想と結果を比べてみる
ゴールしたら、まずは着順を確認します。
馬券が当たっていればもちろんうれしいですし、外れてしまうこともあります。
ただ、そこで終わりではありません。
自分がレース前に考えていたことと、実際のレース結果を比べてみるのも競馬の楽しみです。
「思っていた通り先頭に行った」
「最後は伸びたけれど届かなかった」
「パドックで気になった馬が好走した」
など、振り返ってみるとさまざまな発見があります。
競馬に詳しくなくても、
「自分が予想したことと、実際にはどうだったのか」
という簡単な答え合わせから始めれば十分です。
こうした積み重ねが、次のレースを見る楽しさにもつながっていきます。
夕食を食べながら、レースについて語るのも楽しい
友人や家族と一緒に競馬場へ行ったのであれば、レースが終わったあとにも楽しみがあります。
競馬場からの帰り道。
近くのお店で夕食を食べながら、
「あの馬、最後すごかったな」
「もう少し前にいたら勝ってたかも」
「結局、最初に気になっていた馬が来たな」
と、その日のレースについて話す。
レース自体は数分で終わっていても、その話題で何十分、何時間と盛り上がることがあります。
これも現地で一緒に競馬を楽しんだからこそ生まれる時間です。
的中した馬券だけが思い出になるわけではありません。
「あのときみんなで応援した馬」
「最後の直線で盛り上がったレース」
そうした記憶も、競馬を続けていくうちに少しずつ増えていきます。
応援した馬の「その後」を追いかけてみる
そして、競馬にはもう一つ大きな楽しみがあります。
その日に応援した馬の、その後を見ることです。
一度応援した馬が気になれば、
「次はいつ走るんだろう」
と調べるようになります。
次のレースでは競馬場が変わるかもしれません。
走る距離が変わるかもしれません。
前回は負けてしまった馬が、次のレースでは勝つかもしれません。
何度か追いかけているうちに、その馬が重賞レースへ進んでいくことだってあります。
そうなると競馬は、一日だけで完結するものではなくなります。
「あのとき競馬場で見た馬が、また走る」
それだけで、次のレースを見る理由が一つ増えます。
そしてまた開催スケジュールを確認し、出走馬を見て、予想する。
一つのレースが、次のレースへつながっていくのです。

まとめ|競馬は「見る」だけでなく、前後の時間まで楽しめる
競馬初心者の方にとっては、最初は馬券の種類や競馬新聞の読み方など、分からないことも多いと思います。
でも、最初から競馬をすべて理解する必要はありません。
まずは、
来週のレースを知る
↓
気になる馬を見つける
↓
少し予想してみる
↓
パドックや返し馬を見る
↓
馬券を買って応援する
↓
結果を振り返る
↓
一緒に行った人とレースについて話す
↓
応援した馬の次走を楽しみにする
この流れを一度体験してみてください。
競馬の楽しさは、ゲートが開いてからゴール板を通過するまでだけではありません。
レースを楽しみに待つ時間。
馬について考える時間。
そしてレースが終わったあとに残る余韻。
その前後にある時間まで含めて、一つの競馬なのだと思います。
「競馬って馬券を買うだけじゃないんだ」
そう感じてもらえたら、競馬という趣味はきっと今までより少し広く見えてくるはずです。



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